こんにちは、Kajiです。
今回は靴業界についてです。
- 日本と世界の靴の市場規模は?推移は?
- 靴業界の市場動向は?
これらの疑問が本記事で解決します。
靴の市場規模
【日本】靴の市場規模
日本の靴の市場規模は
2020年時点で1兆4,000億円です。
この市場規模は
出版業界や郵便業界と同じ数字になります。
【世界】靴の市場規模
世界の靴の市場規模は
2020年時点で3,655億ドルです。
これは日本円にすると約40兆円にもなります。
靴業界の市場規模の推移
【日本】靴の市場規模推移(2017~2020年)
日本の靴の市場規模は、
2017年に1兆4,000億円弱でしたので、
2020年までにはほとんど数字が変わっていません。

経済産業省製造産業局生活製品課
しかし革靴に限った話ではありますが
出荷額と事業所数は減り続けています。

経済産業省製造産業局生活製品課2
1991年のピーク時から出荷額は8割、
事業所数は7割減っています。
【世界】靴の市場規模推移(2017~2020年)
世界の靴の市場規模は、
2020年で3,655億ドル(約40兆円)で
2017年時点では2,460億ドル(約27兆円)でしたから
ここ4年で40%以上も伸びていることになります。
世界では靴の消費量が年間で200億足を越えていて、
人口増加やスポーツシューズ需要の増加によって市場規模が拡大しています。

経済産業省製造産業局生活製品課3
靴業界の市場動向は?
【世界】靴業界の市場動向
世界の靴業界の市場動向として、
スポーツシューズ需要増加&人口増加が止まらないことから、
靴の市場規模は拡大されていくものと考えられます。
【日本】靴業界の市場動向
靴の年間支出金額
1世帯あたりの靴の年間支出金額は、
約17,000円です。
小売市場は増加していますが、
1世帯当たりの消費が減少している背景には、
訪日外国人による国内産ブランドシューズの購入が影響していると考えられています。
スポーツシューズ&スニーカー人気
日本の靴業界の市場動向として、
健康志向の高まりから、ウォーキングやランニングなどのスポーツシューズ、
スニーカーの売れ行きが好調です。
またファッションのカジュアル化が進んだことで
『スニーカーブーム』が靴業界の業績を後押ししています。
訪日外国人客もスニーカーの売上を支えています。
一方で革靴の消費額は減少傾向にあります。
靴業界の売上高ランキング
日本の靴業界の売上高ランキングベスト10がこちらです。
順位 | 企業名 | 売上高 | シェア | 単位:億円 |
1 | エービーシー・マート | 2,202 | 49.1 | |
2 | チヨダ | 942 | 21.0 | |
3 | ジーフット | 658 | 14.7 | |
4 | リーガルコーポレーション | 192 | 4.3 | |
5 | ヒラキ | 159 | 3.5 | |
6 | ダブルエー | 130 | 2.9 | |
7 | アキレス | 104 | 2.3 | |
8 | ロコンド | 102 | 2.3 |
日本の靴市場では
ABCマートの一人勝ちとなっています。
ABCマートが好調
ABCマートは20年連続で増益となっており、
日本国内では他を寄せ付けない企業になっています。

業界動向Search
日本国内1,046店舗のほか、
海外でも韓国や台湾を中心に348店舗を展開しています。
「Hawkins」や「VANS」といった海外ブランドを買収し、
商標権も獲得したことから、
消費者に対してPB商品であることを連想させない自社独自のNPB商品の展開を成功させています。
またスポーツに関心の高い消費者向けの専門店「エースシューズ」を出店しています。
エースシューズは世界のシューズトレンドを反映させるセレクトショップと位置付けており、
ランニングやジムで使う靴を想定し、軽量で耐久性・機能性に優れた商品を揃えています。
パーソナライズ&マスカスタマイゼーション
三次元計測技術の発展に伴って、
3D計測器による精密な足形計測データの活用などにより消費者の足に合う快適な靴を提供するセミオーダーサービスが活発化しています。
また在庫リスクなしでの事業展開を通じて、
より顧客満足度の高い高品質な商品の提供が可能になっています。

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さらに受発注や配送のデジタル化、工場から顧客への直接配送(ファクトリー・トゥ・カスタマー)、生産工程の一部自動化、オンライン販売と店舗販売を統合した多様な販売機会の創出(オムニチャネル)など、デジタル技術の利活用を通じたマスカスタマイゼーションの進化の動きがみられます。

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足の測定
画像解析技術の進展により、
消費者がスマートフォンで簡単に足の計測を行うことができるサービスが展開されています。

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また店頭での試着なしで足のサイズに合った靴選びが可能となり、
オンラインでの靴購入も容易になっています。
3Dプリンタ
3Dプリンターでの靴型製造による靴のフルオーダーサービスや、
小売店等に対してデジタル技術を導入したビジネスモデル展開を支援するサービスなどに、
ベンチャー・スタートアップ企業やソフトウェア開発企業などが新規参入するケースも出てきています。

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新機能&付加価値提供
センサー技術の活用により、歩行やランニングのデータを自動計測し
、フォームの改善や疾病予防に役立てる、また音楽やゲームと連動する等、新たな機能を付加した靴が近年開発されています。

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玩具メーカーがスニーカー開発に乗り出すなど、
異業種からの参入事例も出てきています。
ブランディング
商品の付加価値を高める上で、
素材となる革への注目も高まっています。

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天然皮革に京友禅など伝統的な和の技法を取り入れることで、
唯一無二の製品づくりにつながるケースもあります
ビスポーク
海外で日本のビスポーク(高級フルオーダーメード)シューズへの関心の高まりが顕著で、
日本人ならではの繊細な細部へのこだわり、
究極の履き心地と美しさを追求した靴作りは海外で高く評価され、世界のビスポーク文化を牽引しています。

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サステナビリティ
サステナビリティへの意識が世界的に高まる中、
日本でも生産工程におけるCO2排出量削減環境負荷を軽減する素材開発、素材・製品のトレーサビリティやリサイクル等への取り組みが始まっています。

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参考資料
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/seikatsuseihin/hikaku/downloadfiles/footwear2020.pdf
