皮革産業はコロナで変化した?未来はどうすべき?

皮革産業はコロナで変化した?未来はどうすべき? 考え&ブログ

こんにちは、Kajiです。

2020年に流行し始めた新型コロナコロナウイルスは
全世界にまたたく間に広がりました。

様々な産業にも打撃を与え
皮革産業も例外ではありません。

●コロナで皮革産業はどうなった?
●コロナ後の皮革産業はどうすべき?

このような疑問が本記事で解決します。

コロナの皮革産業へのダメージは?

市場規模が縮小している皮革産業ですが、
コロナでさらに厳しい状況に立たされています。

新型コロナウイルスの影響で、
靴や家具などの需要が激減し、
原皮の値段が下がり続けています。

牛原皮の5割、豚原皮の8割以上が海外へ輸出されていますが、
需要が減少しています。

食品産業新聞社の記事を引用します。

〈深刻化する原皮問題〉需要低迷に加え新型コロナによって業界は未曽有の危機に
〈取引価格の改定も根本的解決ならず、実態に即した対策を求める声〉世界的な需給バランスの悪化を受けて、..

東京芝浦原皮協同組合によると、牛の塩蔵原皮の加工処理・輸出には1枚当たり2,500~3,000円、豚塩蔵原皮は300円のコストがかかるため、現状では加工処理するほど赤字が生じている状況で、林理事長は「牛原皮は引取価格が0円であっても採算が合わない状態にあり、今後、廃業する事業者が出てくる恐れもある。未曽有の危機的状況にある」と厳しい現状を切実に訴える。

さらに、「いま日本の皮革製品のうち、原料から最終製品に至るまで国内で製造しているところはほぼ皆無に近く、ほとんどが一度、原皮を輸出し、東南アジアなどのなめし業者で処理されたうえで皮革を輸入している。それが新型コロナで寸断され、その影響が出ている。食肉と違い、原皮の場合は赤字が出ても引き受けざるを得ない。それがいま経営に重く響いている」と説明する。

日本畜産副産物協会の垣内利彦副会長も「我々原皮業界は、と畜解体を止めることがあってはならないと使命感で仕事をしている。それでもかなりの赤字を出しながら事業を継続している」と訴える。東京芝浦原皮協同組合の中根勇専務理事は、「原皮の保管・処理の一部分に助成措置を行うのではなく、国産皮革製品の消費を促進するなど、国内の皮革産業全体の振興に力を入れてもらいたい」と抜本的な対策・支援の必要性を指摘している。

特に原皮は最安値まで下落しています。

米国では、新型コロナの影響による工場の稼働停止により食肉価格は急騰したものの、牛原皮に至っては製品革の需要減少で価格の押上げ要因となっておらず、20年4月のHTS(ヘビーテキサスステア)価格は1枚当たり12.0ドル(前年同月比57%安)と、歴史的な最安値まで下落している。豚原皮も同様で、現地パッカーは皮はぎから湯はぎ方式にシフトしている関係で、市場全体の供給量は減少しているものの、それ以上に需要が落ちこんでいる状況という。

販売先であるタンナーも、新型コロナ以降、最大の消費地である中国をはじめアジア、欧州のタンナーの稼働率は低下している状況という。

国内牛タンナーも需要減によって稼働率が大きく低下しており、「5月、6月の稼働率は50~60%減と推測される」(東京芝浦原皮協同組合)という。タンナーの稼働率低下で国内原皮が余剰傾向となり、夏場を前に余剰在庫の安価な販売がさらなる値下げを生む、負の連鎖が始まりつつある状況となっている。

もし皮革産業が止まってしまえば
畜産業界全体にも影響がでてしまいます。

原皮の価格を改定するなど対策を売ってはいますが、
厳しい状況には変わりありません。

万が一、と畜処理過程の出口部分を担う原皮事業がストップした場合、一連のと畜業務が回らなくなり、ひいては出荷者を含め畜産全体に影響しかねない問題となる。すでに地方の食肉センターでは、一部事業者が原皮の引取りを拒否する動きもあるなど、いまの厳しい経営環境が伺える。

こうした状況を受けて、東京食肉市場と大阪市食肉市場は3月16日と畜分から牛原皮価格を改定した。さらに、東京市場は6月15日と畜分から、大阪市場は6月22日と畜分から再び価格改定を行うことを発表している。今後も消費者に安定した食肉の供給を継続していくためには、原皮事業の継続は不可欠であり、関連業界の理解を得つつ、行政も含めた抜本的な対策・支援が求められる。

コロナ後の皮革産業は?

新型コロナウイルスの影響で皮革産業が打撃を受けているのは
皮革需要の落ち込みです。

革靴に焦点を当てて、
需要が回復するかを見てみます。

革靴需要はコロナでどうなっている?

日本経済新聞の記事によると、
国内大手のリーガル・コーポレーションが
2021年3月に希望退職者を募りました。

リーガル、社員2割が希望退職 コロナ前から構造的問題
リーガルコーポレーション社長の武川雄二氏は、100人規模の希望退職と、国内に4拠点ある靴生産工場のうち1つの閉鎖を決めた。高品質なビジネスシューズを提供し、支持を得てきた靴製造大手だが、新型コロナの

また同年4月には国内の製造工場の内1つを閉鎖し、
小会社の米沢製靴を解散しました。

コロナ禍で外出が圧倒的に減り、
革靴の需要が減り続けていることがわかります。

ちなみに希望退職者の応募は20年以上していなかったそうです。

今回の革靴需要の減少で組織を縮小しましたが、
以前からも需要に陰りは見えていたようです。

最初の打撃は、05年に環境省の号令で本格的にスタートした、夏場にノーネクタイなどの軽装でビジネスシーンを過ごす「クールビズ」でした。

さらに地球温暖化、ダイバーシティー(多様化)、ジェンダー(性差)などへの意識の高まりもあり、スーツスタイルが当たり前だった時代から社会が急激に変化しました。私は今でも毎日電車を利用していて、通勤者の足元を見るのですが、スニーカー通勤者も多いですし、カジュアル化が進んでいるのを実感しています。

何か手を打たなければ、会社の業績は徐々に右肩下がりになるだろうという危機感を強く持ちました。リーガルブランドの主要顧客はシニア層に偏り始め、これまでも20~30代の若年層への対応をしていたのですが、十分とはいえませんでした。

こうした中、社長就任後に売り上げが前年比で4割以上下がり、根本的に会社を強くしなければいけないと考え、最悪の場合は「希望退職」「工場閉鎖」もちらつきました。20年6~7月ごろには、コロナが収まれば、それは避けられるとみていましたが、第3波が広がった20年11月ごろから「このままでは会社が持たない」と意思を固めました。

今後はカジュアルを含めたシューズや
リサイクル素材を使った靴を作ると社長の武川さんが発言しています。

これからは、若者向けにビジネスとカジュアルの両シーンで使えるユーティリティーシューズや、リサイクル素材を使った環境に優しいシューズの展開にも力を入れたいと思います。弊社に求められる価値、必要とされるものを知り、弊社しか作れない商品をプロ意識と自信を持って提供して喜んでいただくことを最優先にします。

本記事から、
以下のことがわかります。

●革靴の需要は以前から落ちていてコロナがさらにダメージを与えた
●今後はカジュアル路線&リサイクル素材を使う

ざっくりとした要約になりましたが、
皮革の需要が大手の革靴企業にさえ増えないことが予想できます。

繊研新聞社の記事でも
革靴の需要は戻りにくいという予想がされています。

【記者の目】危機的状況の革靴の国内生産  モノづくりをデザインして価値共有を | 繊研新聞
 コロナ禍で革靴の国内生産の拠点が今までにない危機的状況に陥っている。4~5月に小売店が休業して以降、消費の戻りが鈍く、在庫過多で注文が入ってこない。東京・浅草では、メーカーの廃業や経営統合が相次いでいる。一方で、...

革靴の生産統計によると、今年10月時点でも紳士靴の生産足数は前年比63%、婦人靴・子供靴は72%の水準にとどまる。靴資材メーカーの村井は「靴メーカーへの供給は21年春夏までは55~60%の水準が続く見通し」だ。ビジネスシューズやパンプスは、20年春夏商品の一部を持ち越す企業が多いほか、百貨店販路で在庫を切らさないように積むビジネスモデルが尾を引いて、秋冬物の生産を見送ったところもある。

革靴の中高級品市場の消費が、コロナ以前の状況に回復するとは思えない。当面、観光客需要に期待は持てないし、勤務スタイルが多様化しているなかでは、新しい様式のMDやサプライチェーンを踏まえて物作りをデザインする必要がある。

コロナ後に皮革産業ができることは?

革靴の需要が戻らないとしても
レザー自体の価値を上げることはできると思います。

先程の繊研新聞社の記事では
サステナブルとデジタル化をキーワードに上げています。

以前のように数が売れないなら、何かしらの付加価値を持って単価を上げるしかない。今は、サステイナブル(持続可能)の取り組みではないだろうか。食肉の副産物である皮を利用する革製品は、そもそもサステイナブルだ。そのことすら、最近までほとんど一般消費者に正しく理解されていなかった。

皮革はサステナブルな話題になると批判されがちですが
食肉産業の副産物です。

お肉を食べる以上はレザーは使われるべきだということです。

このことをわたし自身も以前は知らなかったですし、
もっと周知するべきだと思います。

そういった想いもあり
わたしは皮革産業の発信をしています。

もう一つの切り口は、デジタライゼーションだ。人の手を使う物作りそものもは変わらなくても、過剰在庫など無駄を省くことで、企業経営は大きく変わる。

大手皮革卸の丸喜は、昨シーズンから一部の素材の詳細をQRコードで参照できるようにしている。今後は、在庫を管理しながら、取引先の店頭情報を共有するシステム化を進めたいという。在庫を極力持たず、期中に追加発注を繰り返す専門店や百貨店卸との間で「売れている商品の素材があるかオンタイムで把握できれば追加生産を早期に判断しやすい。当社は在庫調整や次の素材提案にも反映できる」。中長期的には可能な限りで靴メーカーやタンナー、革の染色加工の企業とオンラインで情報共有する形を築くことで、様々な環境や事態に組織力で対応したいという。

デジタル化を進めることによって
無駄を省きながら(費用を削りながら)データの活用で売上を上げることができます。

皮革産業は特にデジタル化が遅れているので
例えばシステム導入をするだけで経営の改善がみられることもあるはずです。

かくいう私も元IT系の会社に勤めていたので
皮革産業のデジタル化の力になれればと思います。

最後までお付き合いいただきありがとうございました!