こんにちは、Kajiです。
インドは世界第2位の
意外にも皮革大国です。
●インドの皮革産業はどうなっている?
●インドの皮革産業はサステナブル?水質汚濁で問題になった?
この疑問は本記事で解決します。
インドの皮革産業はどう?
インドの皮革産業では
世界の皮革生産の約12%を占めています。
市場規模は約1兆円です。
原皮の生産枚数が1億8,000万枚で
中国に次いで世界第2位です。
インドは畜産産業が盛んで
牛と水牛は約20%、
山羊と羊は11%ほどのシェアがあります。
レザーは食肉産業の副産物なので
畜産が多ければ皮革産業も活気がでます。
牛と水牛は世界1位の飼育数で
牛原皮の生産は世界1位になっています。
皮革製品の主な市場は米国で、
15.7%と高い比率になっています。
ドイツでは11.6%、イギリス10.5%、イタリア6.5%、フランス5.7%となっており、
欧米を中心に輸出していることがわかります。
インドの皮革産業では誰が働いてる?
インドの皮革産業では、
特に革製品は女性が30%ほど働いています。
また労働者のうち55%が35%と若者です。
インドレザーは染色や装飾が特徴?
インド産の皮革は
衣類は寒さや暑さから身体を保護するためだけでなく、
より美しく装飾されます。
なぜなら社会的地位の表象という目的があるからです。
染色の歴史は糸を紡ぐ技術と同じくらい古く、
インドでは紀元前数千年前から盛んに行われてきました。
それらの知識や技術は皮革の世界にももちろん生かされており、
インドでしか染色できない方法も未だ存在しており、
技術の高さは世界的でも突出しています。
インドの皮革産業はサステナブル?
インドの皮革産業での水質汚濁
インド北部にあるカンプールでは
皮革産業よって街が荒廃しています。
皮革生産のために水が大量に使われますが
クロムなめしの工程で発生する化学薬品が
下水道やガンジス川に流れていることが問題になりました。
2014年にはジャーナリストのショーン・ギャラガーが
インドの皮革産業が環境問題を引き起こしたことを記録したドキュメンタリーを公開しました。
きちんと処理されて排水されるのは20%です。
工場排水には重金属が含まれ
汚染された水を使って農業を行う人々のほか
農地までにも影響が及び周辺の人々へ健康被害があります。
地域でとれたバラの花は栽培できなくなってしまいました。
動画ではカンプールで皮革産業に従事する人たちが
悲観的にインタビューに答えています。
サステナブルな取り組み
カンプールでの出来事もあり、
インドの皮革産業ではサステナブルな取り組みも行っています。
特に厳格な環境基準を設けているヨーロッパの製品を生産しているため、
皮革に関わる工場においては、
世界で一番厳しい環境基準をクリアできる設備を備えることを国から義務付けられました。

timeandeffort.jlia.or.jp
インドの皮革産業はサステナブルになっているのですね。
と思ったのですが、
以下記事を読む限りはまだサステナブルな体制が完全にできているとは言い難いです。
引用します。
ところでこの工場は排水処理はきちんとされている?
→俺たちの工場は排水基準を満たしているというcertificateを政府からもらっているから大丈夫でも来るときみた川がものすっごい汚かったけど…
→ここはインドだよ?CETPは今は機能していない。でも俺たち工場はみんなcertificateを持っているしCETPのためにお金も納めている。けどでも政府は何も進めてくれない、俺たち工場にはどうしようもない。
Footwear Design & Development Institute(FDDI)で話を聞いたところ、モディ政権になりmake in Indiaを掲げてからレザー産業は優遇されており、インド人が自分で製造工場を立ち上げる場合には政府から補助金も出るようです。
産業振興をはかっているのにもかかわらず、環境配慮という消費者の目が届かないところはおざなりにされている状態。
でも、ここの工場でなめされた革は世界中へ輸出されている、革として、製品として。時代が変わってCETPが整備されるまで、ほとんどの人は自分の買った革製品が環境汚染に貢献しているなんて気づかないままなんだろうな。と思いました。
参考資料