こんにちは、KAJIです。
大手警備会社のアルソック(ALSOK)がジビエ事業に参入し
ジビエ界が盛り上がっています。
そこでジビエについて書いてみました。
・ジビエとは?何の肉で種類はあるの?
・ジビエ料理とは?
・ジビエ事業がブーム?なぜアルソック(ALSOK)はジビエ事業に参入したのか?
・ジビエはレザーまで利用可能?
これらの疑問は本記事で解決します。
ジビエとは?何の肉?
「ジビエ とは」とGoogleで検索をすると
「何の肉」「鹿(シカ)」「猪(イノシシ)」などとヒットします。
そもそもジビエとは何なのでしょうか?
日本ジビエ振興協会によると、
ジビエとは狩りをして手に入れた天然の野生鳥獣の食肉だそうです。
つまり、野生鳥獣であればジビエになるので
シカや猪などを含む動物が当てはまることになります。
(後ほどでてきますが、厳密には狩りをして良い鳥獣は定められています)
以下協会の定義を引用します。
ジビエとは狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉を意味する言葉(フランス語)で、ヨーロッパでは貴族の伝統料理として古くから発展してきた食文化です。
その昔フランスなどでは、ジビエを使った料理は自分の領地で狩猟ができるような、上流階級の貴族の口にしか入らないほど貴重なものでした。
そのためフランス料理界では古くから高級食材として重宝され、高貴で特別な料理として愛され続けてきました。
そこでは、動物の尊い生命を奪う代わりに肉から内臓、骨、血液に至るまで、全ての部位を余すことなく料理に使い、生命に感謝を捧げようという精神が流れています。山野を駆け巡り大空を舞った天然の肉は、脂肪が少なく引き締まり、栄養価も高い、まさに森からの贈り物。力強く生命力に溢れた冬季限定のごちそうです。
ジビエの種類は?
ジビエの種類は、
48種類になります。
すべての野生鳥獣を狩猟してよいわけではなく、
野鳥28種類、野獣20種類と決まっています。
野鳥のジビエ28種類は次のリストになります。
カワウ、ゴイサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ、エゾライチョウ、ヤマドリ、キジ、コジュケイ、バン、ヤマシギ、タシギ、キジバト、ヒヨドリ、ニュウナイスズメ、スズメ、ムクドリ、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス
野獣のジビエ20種類は次のリストになります。
タヌキ、キツネ、ノイヌ、ノネコ、テン、イタチ、チョウセンイタチ、ミンク、アナグマ、アライグマ、ヒグマ、ツキノワグマ、ハクビシン、イノシシ、ニホンジカ、タイワンリス、シマリス、ヌートリア、ユキウサギ、ノウサギ
種類としては48種類になりますが、
日本では捕獲数や被害の多い鹿(シカ)、猪(イノシシ)がジビエ肉として使用されます。
ジビエ料理とは?
こんなYoutubeがありました。
実はジビエは料理としても楽しむことができ、
ジビエ料理というジャンルも確立されています。
例えば鴨(カモ)
(画像引用元:オーベルジュ・エスポワール)
アナグマ
高級料理としてもジビエ料理は作られています。
ジビエバーガーが人気?
ハンバーガーをメインに提供する
ファーストフード店のロッテリアは「ジビエバーガー」を発売しています。
こちらのバーガーでは
鹿(シカ)のジビエ肉が使われており、
ジビエの消費促進を目的にしたキャンペーンの一環です。
Impress Watchさんの記事を引用します。
ロッテリアは、「ジビエ鹿肉バーガー(エゾ鹿ラグーソース)」を、全国のロッテリアで9月29日より数量限定で販売する。価格は790円。
ロッテリアは、日本ジビエ振興協会が7月から展開している、国産ジビエの継続的な消費拡大を目指す「GO GO GIBIER!(ゴーゴー・ジビエ)」プロジェクトに参画。ジビエの普及・振興の取り組みによる循環型経済の創出を図り2016年4月から数量限定で販売していた「ジビエ鹿肉バーガー」の販売店舗を、全国に拡大する。
パティ全体の6割に、農林水産省制定「国産ジビエ認証制度」の基準をクリアした工場で適切に処理したジビエ鹿肉を使用。パン粉や黒胡椒、ナツメグなどと合わせ、鹿肉の風味と旨味を味わえるように仕上げている。鹿肉は、牛肉や豚肉に比べて高タンパク、低カロリーで鉄分豊富といわれているとしている。
ソースには、エゾ鹿のひき肉を使用し、ガラムマサラや数種のスパイスをブレンドしたスパイシーな「エゾ鹿ラグーソース」を採用。鹿肉ハンバーグパティとソース、マヨネーズ、レタス、トマト、スライスオニオン、ピクルスをバンズで挟んでいる。
ジビエ事業がブーム?
なぜジビエが事業として広がっているのか?
ジビエの事業化が進んでいる背景として、
野生鳥獣による農作物被害を抑えながら売上をあげていこうという動きがあります。
年間の農作物被害はなんと158億円もあります。。
農作物被害を防ぐために狩猟していたシカやイノシシはこれまで
廃棄されてきましたが、有効利用していこうという国の方針があります。
○ ジビエについては、外食産業での利用の拡大・定着や、ペットフードなどの新用途の開拓により、これまで着実に利用量が増加している。
○ この流れを更に進めるため、利用可能な個体のフル活用等により、ジビエ利用量を増加させ、令和元年度の水準から令和7年度まで
に倍増(4千トン)させることを目標とする。○ 目標達成に向け、需要開拓や国産認証制度の普及を図るとともに、人材育成やモデル地区の取組の横展開を進めるなど安全・安心
なジビエの供給体制の整備を推進する。併せて、利用者向け産地情報のネットワーク化に取り組む。
まさにSDGsの流れですね。
動物の命を無駄にしないことは素敵なことです。
ジビエの最新状況や利用については
農林水産省がまとめているので興味のある方はぜひ読んでみてください。
なぜアルソック(ALSOK)はジビエ事業に参入したのか?
大手の警備会社アルソック(ALSOK)は
ジビエ事業に参入しています。
(画像引用:ALSOK公式HP)
一見すると警備とジビエは結びつかなさそうですが、
アルソック(ALSOK)は2014年から有害鳥獣の駆除を行っています。
駆除したシカなどの動物を食材として使うために
2021年よりジビエ事業に進出しました。
2021年になんの前触れもなく参入したと思われがちですが、
2014年から野生鳥獣に関わりはあったのですね。
アルソック(ALSOK)ジビエ工房茂原
健康志向の高まりの中で
ジビエは新たな食材として人気となっています。
ジビエを食肉加工する施設として
アルソック(ALSOK)はジビエ工房茂原を設立しました。
以下公式HPを引用します。
「ジビエ工房茂原」開設の経緯
千葉県内では、有害鳥獣によって毎年約4憶円に上る農作物への被害が出ており、
捕獲従事者の高齢化・担い手不足も相まって、深刻な状況が続いています。
このような状況を踏まえ、県内各自治体との連携体制を整えたうえで、
捕獲従事者からは個体(イノシシ等)の処理や書類作成など報奨金の受領に必要な事務手続きを代行する代わりに捕獲した個体(イノシシ等)を譲り受け、
食肉へ加工する施設「ジビエ工房茂原」を令和2年7月に開設し、販売事業を開始しました。ジビエの加工
徹底した衛生管理のなか、最先端の設備とシステムで、高品質な商品をご提供いたします。
①トレーサビリティの詳細なデーター開示
②速やかな処理と最新設備による冷凍保存
③HACCP取得に向けた衛生管理
④E型肝炎検査を含めた品質管理
⑤素材のクオリティを徹底追及
アルソック(ALSOK)はジビエの冷凍食品のネット販売を始め
今後年間5000万円の売り上げを目指します。
ジビエはレザーまで利用可能?
食肉としてジビエ肉は活用されていますが、
再利用といえばもちろんレザーの出番です。
狩猟され、ジビエ料理で活用されたあとは
レザーとして使うことができます。
皮革なめし工場を持つ
山口産業では「MATAGI」プロジェクトとして
狩猟された動物の皮をなめして鞄などに使える革にして還すという活動を行っています。
とても素晴らしいプロジェクトです。

以下プロジェクト内容を引用します。
日本全国で野生動物による農作物や人間への被害報告が後を絶ちません。
国では鳥獣保護法を改定し有害駆除期を設けて、獣害削減と生態系バランスの保全策を講じました。
しかし、人間社会の都合で駆除しなければならないため猟師や地域住民の中には頂く命の尊厳を守るべきとの声もあります。
そこで、2008年から駆除した猪や鹿の原皮(剥いだままの毛の付いた生の状態)を預かり、革素材にして還すMATAGIプロジェクト活動を開始しました。
その後、2013年に実行委員会化をして、獣革利活用の情報発信や講座、販売会支援など活動の幅を広げています。
2020年、当プロジェクトの活用産地は全国400カ所に拡大し、年間約3,000枚の獣皮が有効利用されています。
しかし実際には年間約100万頭も駆除されており、更に皮革素材の活用推進を実施しなければなりません。私たちは「頂いた命の皮を最後の1枚まで大切に使い切ること」を目指して活動を継続します。
ジビエについて書いてきましたが、
「動物の命を無駄なくいただく」ということは、わかっていてもなかなか思い続けることは難しいことなのかもしれません。
ジビエ料理を食べ、
ジビエレザーに触れることによって
命のありがたみを大切にできるきっかけが増えればいいなあと心から思っております。
最後までお読みいただきありがとうございました。