こんにちは、Kajiです。
今回は鞄業界についてです。
- 鞄の市場規模は?コロナで変化した?
- 鞄業界の市場動向は?企業ランキングも知りたい!
これらの疑問は本記事で解決します。
鞄業界の市場規模は?
日本の鞄業界の市場規模は、
2020年時点で約1兆200億円です。
2019年までは微増で推移し、
1兆2,500億円を記録しましたが、
2020年には17%以上も減少しました。

矢野経済研究所
市場動向に詳しく書いていますが、
『新型コロナウイルス』による影響が大きいです。
鞄業界の市場動向は?
鞄業界への新型コロナウイルスの影響
2019年度の国内鞄・袋物小売市場規模は前年度比5.0%増の1兆2,501億円となりました。
国内富裕層需要が好調だったことに加え、ラグジュアリーブランドによるミレニアル世代をターゲットとした戦略が奏功したことで、2019年の高級インポートブランドの鞄・袋物小売市場(欧州・米国からの輸入品)は7,006億円と大きく伸長しました。
2019年は初めて日本人の海外旅行者数が2,000万人を突破するなど海外旅行への需要を背景として、市場規模が堅調に推移しました。
インターネット販売の拡大やインバウンド(訪日外国人客)を中心とした空港商業施設内需要の増加も追い風となりました。
しかし2020年度は、一転して新型コロナウイルスの影響によるインバウンド需要の消失により大幅に縮小し、これまで好調だった百貨店や直営店が一転、苦戦を強いられる結果となりました。

矢野経済研究所2
また店舗の営業時間短縮や臨時休業など自粛要請による販売機会の減少により、市場規模は大幅に落ち込んでいます。
特に旅行鞄などの分野は海外旅行者数の減少やインバウンド需要の消失により大きな打撃を受けています。
2021年以降は、
例えば一人旅用のスーツケースや抗菌・抗ウイルス機能を搭載した商品など、新しいアプローチにより同市場の盛り返しが期待されており、市場を下支えする見込みです。
鞄業界の企業ランキング
2016年の鞄企業の売上げランキングトップ25です。
順位 | 社名 |
1 | 東京デリカ |
2 | サマンサタバサジャパンリミテッド |
3 | フィットハウス |
4 | ブランドオフ |
5 | エル |
6 | 協和バック |
7 | モリタ(秋田) |
8 | ギャレリア・ニズム |
9 | モリタ(青森) |
10 | アンビリオン |
11 | ケイアイ商事 |
12 | BLBG |
13 | カトレア |
14 | 多津屋 |
15 | ニューバッグワカマツ |
16 | 池のや |
17 | カンガルー堂 |
18 | ノエルヤマモト |
19 | バルコス |
20 | カバンのフジタ |
21 | タイガーズ・ブラザーズ |
22 | グレートブリテン |
23 | 神田屋鞄製作所 |
24 | マザーハウス |
25 | ヘッドポーター |
2004年のランキングにはなりますが、
鞄の卸&メーカーランキングトップ10もありました。
順位 | 社名 | (本社所在地) | 決算年月 | 当期 | (増減率%) | 前期 | (増減率%) | 前々期 | (増減率%) |
1 | エルメスジャポン㈱ | (東京・中央区) | 02/12 | 49,500 | 19.9 | 41,300 | 27.2 | 32,480 | 16.7 |
2 | エース㈱ | (大阪・中央区) | 02/12 | 27,306 | ▲8.7 | 29,921 | ▲13.0 | 34,387 | 1.4 |
3 | ㈱吉田 | (東京・千代田区) | 03/5 | 13,000 | 4.0 | 12,502 | 7.2 | 11,658 | 6.5 |
4 | 三崎商事㈱ | (大阪・中央区) | 03/2 | 12,512 | ▲9.3 | 13,800 | 0.5 | 13,725 | ▲4.7 |
5 | ㈱サンブランド | (大阪・天王寺区) | 03/3 | 10,262 | 6.6 | 9,627 | ▲4.1 | 10,034 | 10.8 |
6 | ㈱アオイ | (神戸・中央区) | 02/12 | 10,179 | ▲17.1 | 12,276 | ▲32.9 | 18,302 | ▲17.6 |
7 | ㈱西川 | (東京・台東区) | 02/7 | 9,860 | 23.3 | 8,000 | ▲2.7 | 8,220 | ▲5.9 |
8 | ㈱松本 | (名古屋・中区) | 03/5 | 9,680 | ▲4.5 | 10,140 | ▲12.7 | 11,614 | 6.0 |
9 | ㈱エースインターナショナル | (大阪・中央区) | 02/12 | 9,045 | ▲20.7 | 11,401 | ▲2.7 | 11,718 | 13.7 |
10 | ㈱ヤマニ | (東京・千代田区) | 03/3 | 8,369 | 17.2 | 7,139 | ▲7.4 | 7,712 | ▲3.1 |
ランドセル市場
ランドセル市場は祖父母の財布を含めたシックスポケットやイクメンを背景に
いわゆる“ラン活”が定着しました。

ニノニナランドセル
2018年はランドセルの高級化がさらに顕著となり、
各社、高機能や素材による開発競争が行われています。
ランドセル市場へ新規参入するケースもあり、
限られたパイを奪い合う市場となっています。
旅行鞄
旅行鞄市場では、2018年は「働き方改革」による休暇取得の促進効果で国内旅行が増加する見通しがあることや、
民泊新法の施行による宿泊スタイルの多様化などで、
コンパクトで大容量なキャリーケースを中⼼に需要が⾼まってきており、コロナ以前の市場規模は堅調に推移していました。
流通チャネル
⻑らく百貨店と鞄専門店がメインチャネルとなっていたが、
この10年で流通チャネルが拡がりを⾒せ、ここでは「その他」に分類されるアウトレットモールやアパレルブティックでの販売、
またカメラ量販店などのディスカウントストアなどでの販売、そして駅ナカや空港などのトラフィックチャネルといった業態に出店する動きが続いており、
海外渡航者数が増加している現在、特に空港チャネルはインバウンドユーザー獲得の⼤きな販路となりつつある等、
こうした「その他」販路は、百貨店に次ぐ規模となっています。
百貨店販路は、百貨店業界は⻑く厳しい状況にあったものの景況感の改善で所得の⾼い層の購買が戻ってきたことと、
訪日外国⼈観光客が多く訪れ、インポートブランドを中⼼に⾼額の鞄・バッグを購入していること等により、
都⼼部の百貨店の鞄・袋物販売は好調に推移しているが、
地方の百貨店は訪日外国⼈観光客が多く訪れているわけではなく、売上拡⼤に繋がる要素も少なく、
鞄・袋物の売場は、来店客数も売上も減少傾向にあります。
そのため鞄・袋物の品揃えは、売上を得るためにより売れ筋の商品に偏る展開となっています。
鞄専門店については、店舗数は明らかに減少傾向であるのに対し、
売場面積は拡⼤傾向にあります。
これは地域の個⼈店がチェーン展開を⾏う⼤⼿企業に集約されているものとみられます。
また有⼒セレクトショップでの扱いも拡⼤しているものの、
ローカルエリアを中⼼とした鞄専門店の減少、低迷の影響は⼤きく、シェア縮小が続いています。
EC販路は、自社ECの展開強化に加え、「Amazon」「ZOZOTOWN」、「マルイウェブチャネル」、「パルコシティ」などの外部ネット通販の展開を強化する動きも顕著で、着実にシェアを拡⼤しています。
ただ、鞄・袋物業界のEC化率はアパレル業態と⽐べてまだ低く、
これは市場をリードしているラグジュアリーブランドがまだEC展開に本腰を入れていない点などがその要因となっています。
鞄市場における課題
・ライフスタイルとして広がるスポーツ領域への対応
・ファッション領域全体への提案
・リユース(中古)市場の形成・拡⼤
・オン・オフ両用商品の企画開発
・⾼齢者ニーズへの対応
・旅⾏鞄、キャリーケースなどトラベル需要の獲得
・バッグの定額利用サービス(サブスクリプション)
参考資料
